Shogakusha’s blog

大学生が勝手気儘に書き散らかす予定のブログですが全然続いていません

癖がうつる(短い日記)

小さい頃,アメリカの小学校に2年ほど通っていた.西海岸にある小学校だったので,本当に色々な国の生徒たちがいて,白人種が数的マイノリティになってしまうほどだった.そこでの思い出は語りつくせないほどあるが,中でもとても不思議な記憶がある.

確か3年生の頃,クラスに大柄なユダヤ系(っぽい見た目)の生徒がいた.少し周りから浮いていたが,自分はその彼とそこそこ仲良くしていた記憶がある.いつか彼に「これは内緒にして欲しいんだけど,来年からMainstream(アメリカの小学校の通常クラス)に行ける事になったんだ」と教えてもらったことがあって,それなりに信用されていたような気がする.メガネをかけていて,知的な雰囲気の少年だった.

そんな彼だが,少し変わった癖があった.くしゃみをした後,片手の掌で顔を額から顎にかけて撫で付けるように拭うのだ.側から見ていて「なんでわざわざそんなことをするんだろうか」と自分は不思議に思っていた.

彼との思い出にはそんなに強烈なものはなくて,結局クラスが一緒だったのはその一年間だけだったし,自分が日本に帰国してから彼の存在は「アメリカにいた頃の記憶」の中に埋もれていった.

しかし突然,本当にある日突然(それがいつかは忘れてしまったが)自分がくしゃみをした後,片手の掌で顔を額から顎にかけて撫で付けるように拭っているのに気づいた.その瞬間あの彼のことを思い出した.日本に帰国してからそこそこの年数が経っていたこともあり,不思議なこともあるもんだと思ったが,その癖は1,2年ほど続いた.くしゃみをした後にそれをしないとどうにも顔がむずかゆく感じてしまっていたのだ.

今はもうそんな癖は抜けているが,時々くしゃみをした後にふと片手を頰に当ててしまう時があって,ぼんやりと彼のことを思い出す.

霊魂とか,超常現象とか,そういった超自然的な類は真に受けないタイプなのだが,なんだか彼の記憶を残しておきたいと思ってブログ記事にしてみた.元気にしているんだろうか.